フラジオを使いこなしたい

『サクソフォンのための高音奏法』

『サクソフォンのための高音奏法』ユージンルソー著この本の存在はずいぶん前から知ってたんですけど、つい最近ようやく手にいれることができたので早速ひととおり課題を実践してみました。で、やってみてびっくり。こんなに充実した内容だったんですね。

これをこつこつやったら長年悩んでいたフラジオのフィンガリング迷子から脱出できそう。

フラジオとは

そもそも大抵のサックスの教則本では、記譜音Bb3からF#6までのフィンガリングだけ紹介されているのですが、これより上の音も出すことができるんですね。

その音域を操る奏法のことをフラジオレットといい、それを省略してフラジオといいます。

もとは特殊奏法だったんでしょうか、しかし近現代の楽曲ではあたりまえに使われますし、それ以外の楽曲においても表現の幅を広げようとすると避けては通れない奏法なんですね。

著者のユージン・ルソー氏

世界を代表するクラシック・サクソフォンの巨匠。
1932年アメリカに生まれ、パリに渡り、コンセルヴァトワール(現在のパリ国立高等音楽・舞踊学校)にてマルセル・ミュール氏に師事。アメリカ帰国後は演奏活動・教育活動に携わり、世界各地の有名オーケストラとの共演、ドイツ・グラモフォンを含む複数レーベルへ録音、数々の新作を初演。インディアナ大学、ミネソタ州立大学特別教授として後進の指導にあたり、著名な演奏家を輩出。

よいメソッドを使って体系的に習得しよう

これまで、曲中でフラジオが必要なときは、いろんな本やネット上の運指表を参考にしながら、なるべく前後のつながりがいい運指を一音一音パズルみたいにあてはめて演奏していました。

例えば、このサイトには相当助けられました。

参考:The Woodwind Fingering Guide

これでももちろん演奏できるんですが、練習方法なども含めて、体系的で充実した内容の教本がないか探していましたが、この本はまさにその理想をかなえてくれています。

なので、いままさに同じようなことで悩んでいる人はこの本を手にして、すこしでもフラジオ習得の参考にしてもらえたら幸いです。

『サクソフォンのための高音奏法』に取り組むにあたって

なぜフラジオを習得しようと思いましたか?

とにかく高い音を出せることに憧れて?
演奏したい曲に必要だから?
表現したいことのために必要だと思ったから?

(前略)学びのプロセスは常に継続し、そこに「到達点はない」のである。(中略)サクソフォンの通常音域よりも高い音域を使って流ちょうに演奏する能力は、もはや飾りや付け足しなどではない。それは必要かつ不可欠な能力なのである。かつてミュール先生が言われたように、探求の旅は果てしなく続き終着点はない。著者として、本書がハイトーンへの旅を照らす灯りとなって読者の役に立つことを心より願っている。

ユージン・ルソー著 / 北山敦康訳『サクソフォン奏者のための高音奏法』より

まとめ

最後に、フラジオを自由自在に操って素晴らしい演奏を聴かせてくれるアーティストをご紹介。

24 Caprices, op. 1: No. 24: Tema con variazioni. : Raaf Hekkema


ラーフ・ヘッケマRaaf Hekkemaというオランダ出身のサクソフォン奏者なんですが、もうほんと凄いんです笑
ヘッケマ氏がカレファックスというアンサンブルで演奏するのをライブで聴く機会があったんですが、音色の幅と表現力がとにかく素晴らしかった!

フラジオで高音域を自由自在にコントロールする変態的なプレイヤーとしての一面のあるヘッケマさんですが、高い音を出すことが目的なのではないんですね。あくまで彼が表現したいことのために用いている手段の一つなんだということを再認識させられた貴重な時間になりました。

ということで、フラジオ習得のためにはおすすめの一冊です。なにか参考になれば幸いです。

それでは!

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